犬種別耳炎のいろいろ(柴犬)
外耳炎が多いが見過ごされ中耳炎に進行しやすい
耳道に落ちた毛が鼓膜周辺にたどり着き炎症を起こします。
鼓膜が破れて中耳炎になりますが、VO療法で鼓膜が再生し治癒しやすいです。
長期間のマッサージや綿棒により中耳炎から内耳炎になるケースもあります。
立ち耳で、耳道入口が広いので植物の種(ノギ)などが鼓膜を傷つけやすいです。
<立ち耳>
耳がたっている犬は、外耳炎になりにくいといわれています。しかし、耳道入口の毛が耳道に落下して、やがて鼓膜にたどり着き、そこで炎症をおこします。炎症により鼓膜は弱くなり、少しの刺激(マッサージや頭部をなでる)で、破けてしまいます。そして、炎症は中耳へと波及します。VOで、毛を早く取り除くと炎症を抑えることができます。
<上皮移動>
鼓膜と耳道の汚れは上皮移動によって耳道入口へと運ばれます。
つまり、耳の入り口や耳道だけを治療しても治癒しません。
鼓膜をきれいにすることで外耳炎は治癒します。
鼓膜の治療にはVO療法が最も有効です。
<耳介の病気は鼓膜を治すと治ります>
耳の入り口や耳介が汚れているのは鼓膜が汚れているからです。
症例を参考にしてください。
治療
耳道入口がひろく、立耳で耳炎とは無縁のように思われがちだが、外耳炎から中耳炎をおこしていることが多い。垂直耳道と水平耳道の径の差が少なく、垂直耳道の分泌物が見過ごされやすい。耳道入口の硬い毛が鼓膜周辺ら落下して、鼓膜損傷を押していることも多いが、気づかれにくい。
症例1 中耳炎なのに外耳炎と誤診しやすい
初診日 R(右耳)
症例2 鼓膜周辺に毛が潜んでいることがある
毛を摘出すると、皮膚病もきれいに!! (食物アレルギーなどのアレルギーによる皮膚病も多発)